相続分と法定相続分
相続分とは、相続人が有する相続財産に対する割合をいいます。
一方、法定相続分とは、民法で定める相続分(民法900、901)をいいます。被相続人(亡くなった方)は、この相続分の割合を遺言で指定できますが(民法902)、相続人全員が合意すれば、遺言と異なる割合により相続財産を分割(遺産分割)することができます。
この民法が定める法定相続分の割合は、順位者の身分関係に応じて、次のように定められています。
なお、被相続人の配偶者(戸籍上の配偶者となっていない場合(内縁関係)は除かれます。)は常に相続人となり、相続を放棄した人は初めから相続人でなかったものとされます。
また、子供が既に死亡しているときは、その子供の直系卑属(子供や孫など)が相続人となります。子供も孫もいるときは、死亡した人により近い世代である子供の方を優先します。
【参考法令】
同順位の相続人が数人あるときは、その相続分は、次の各号の定めるところによる。 一 子及び配偶者が相続人であるときは、子の相続分及び配偶者の相続分は、各二分の一とする。 第901条(代襲相続人の相続分) 第887条第2項又は第3項の規定により相続人となる直系卑属の相続分は、その直系尊属が受けるべきであったものと同じとする。ただし、直系卑属が数人あるときは、その各自の直系尊属が受けるべきであった部分について、前条の規定に従ってその相続分を定める。 第902条(遺言による相続分の指定) 被相続人は、前二条の規定にかかわらず、遺言で、共同相続人の相続分を定め、又はこれを定めることを第三者に委託することができる。 第902条の2(相続分の指定がある場合の債権者の権利の行使) 被相続人が相続開始の時において有した債務の債権者は、前条の規定による相続分の指定がされた場合であっても、各共同相続人に対し、第900条及び第901条の規定により算定した相続分に応じてその権利を行使することができる。ただし、その債権者が共同相続人の一人に対してその指定された相続分に応じた債務の承継を承認したときは、この限りでない。 |
文責:
- 税理士 天池 健治
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